この記事を読むのに必要な時間は約 7 分です。
先日公開したこちらの記事で紹介したAs Dusk Fallsを無事クリアした。
ヘビーレインやデトロイトビカムヒューマンのような魅せるグラフィックではなく、
パラパラ漫画のような形でゲームを進行させるという斬新なシステムはホント素晴らしかった。
この先ネタバレがあるので注意が必要です。
As Dusk Fallsプレイ感想
誰にでも変わるチャンスはあるということ
このゲームで伝えたかったことそれは
「誰にでも変わるチャンスがある」ということ。
ほんとこれに尽きます。ただ、全体的に「鬱ゲー」なのでゲームをプレイする人にとっては私もそうだが、気持ちが暗くなるかもしれません。
全チャプター1から6まで存在し、チャプター1から3はBook1とチャプター4から6はBook2となっています。チャプター1から3はゾーイの幼少期の話で、チャプター4から6はゾーイの青年少女の話となっている。
チャプター4から6では時代が1998年になったり、現代に戻ったりと交差しながらゾーイやジェイ・ホルトの感情にフォーカスする内容となっている。
ゾーイはトラウマを抱えたままでいる
ゾーイは幼少期に体験したトラウマを抱えたまま成長してしまっていて、そのことを両親に打ち明けることができずにいた。冒頭にあるプール潜水シーンはそのトラウマを表現している。
トラウマというのは大人になればなるほど傷ついた経験として残ってしまうので、それを解消するのは困難ともいえる。
ゲーム内で祖父ジムが言ってる言葉が印象的だったが「記憶に問いかけ、記憶を克服する」という。
人は壮絶な体験をすると忘れようと努力はするが…
ただ人は壮絶な体験をすると忘れようとしてもなかなか忘れられずにいて、忘れようと努力はするもののそのトラウマが急に蘇って苦しめるという。私にも似た経験がありその度に嫌な思いをしたりします。
ゾーイのようにトラウマを抱えたまま大人になってほしくないと思いながらもあの出来事を忘れようとはなかなか思えない。
ゾーイのトラウマは一生続くと思ったし、ゾーイの体験そのものが記憶の片隅に生き続けるのだと思った。
トラウマを抱えてる人にはゾーイに寄り添いたくなると思います。ゲームの表現としてトラウマを感じるってなかなかないので…
生まれた環境によって人は変わる事ができるのか
素行の悪さが目立ったホルト兄弟。二人の兄とは比べ大人しさが目立った三男ジェイ。
極悪非道の父に加え、その夫の悪行に振り回された母。その間に生まれた子供は果たして真っ当に生きる事ができるのでしょうか。
人は親を選べないとされているが、このジェイもその1人なのかもしれない。
その環境を変えたければ自分からその檻を抜け出して環境を変えるしかないだろう。
ただ、ジェイの場合は両親よりも兄貴達の行動に問題があったようにも思える。長男タイラーは素行の悪い父親から母親を守るために中学卒業してから母親の為に働いていて、次男デールはその兄を見て育っている。
三男ジェイに至ってはこの二人の兄とは血が繋がっていない。
血が繋がってない二人の兄から虐げられる日々を過ごす理由がわからなかったジェイ。血が繋がってない真実を知ると彼の感情は爆発してしまった。
ジェイはあのモーテルでの出来事以降、逃げるように生活していき行き着く先がないまま先の暗いトンネルを歩いていたのだった。
このゲームのテーマ「人生は自分で選べるし、自分で切り開ける」
このゲームのストーリーはとにかく重かったです。
デトロイトビカムヒューマンは「人間 対 アンドロイド」で人間とアンドロイドが共存できるのか?というのがテーマだったが、As Dusk Fallsに至っては「人間 対 人間」が対象で、人は環境を変えて生まれ変わる事ができるのか?というのがテーマになっている。
でも実社会でその環境をなかなか変えることができずに苦しんでる人も多いはず、簡単にいえば「柵(しがらみ)」というやつです。
この柵を克服して生きていけたらどんなに幸せなのか。
人生とは究極の選択の連続。その先に何があろうと
支配する側にとって柵は必要だが、支配される側にとっては苦痛でしかないので、ゲームをやりながら自分がいかに支配される側の人間になっているのかをまざまざと見せつけられた。
また支配される側はとにかく目の前にある絶望の選択をしなければいけない。究極の選択を。
この究極の選択の先にあるのが「希望」なのか「絶望」なのか。例えこの先に絶望が待っていても選択したのは自分なのだからという酷な選択をしなければいけない。
これも人生なのだと割り切れたらいいのだが、実社会だと自分の選択が正しかったのか?と自問自答するのもあるからこのゲームではそこにもフォーカスされていたのが良かった。
ゾーイやジェイと似たような境遇の人もいるかと思うが、変わりたいけど変われない現実を受け入れたい人にとっては苦痛だけどやって良かったと思える作品だといえる。
全体的に鬱ゲーだけど、人生を考えさせれる良いゲーム
全体をプレイした感想としてはチャプターを終了する度に胃もたれがするようなゲームでした。
とにかく重いし、分岐も多いし、選択を誤ることができないという重圧もあったりする。
デトロイトビカムヒューマンみたいにシーンごとの切り替えがあればいいのだが、話の結末が気になってしまい、結局一晩で通しでプレイしてしまった。
分岐の数があまりにも多かったのでクリア後に見えるフロチャート見るとまじでヤバさがわかります(笑)おそらく、全部結末みるとなると軽く1週間はかかるかもしれない。
クリア後に何度も遊びたいけど、さすがにテーマが重すぎて日をおいてプレイしたいと思います。
多くの人にプレイしてほしいが、このゲーム発売プラットフォームがsteamとXbox series X/SのXbox Game Pass対象というのが残念。これだけの重厚なテーマをプレイできる人が少ないのが勿体なく感じました。
コメント