Netflix映画感想【ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌】J.D.ヴァンズの実話を基にした作品

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J.D.ヴァンズの実話を基にした作品

11月24日にNetflixより配信された「ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌」。著書「ヒルビリー・エレジー アメリカの繁栄から取り残された白人たち(Hillbilly Elegy: A Memoir of a Family and Culture in Crisis)」の映画化で主演にエイミーアダムスとグレンクローズそして俳優のガブリエル・バッソをむかえて監督に大作多く手掛ける「ロン・ハワード」。今年11月13日に劇場公開されたばかりだが、Netfilxではなぜか11月24日に公開された。

ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌の物語

物語はオハイオ州ラストベルト(錆びれた工業地帯)出身のJ.D.がどのようにして名門イエール大学のロースクールになって弁護士になったのかという話。ただJ.D.の母親ベヴは薬物依存症に苦しんでおり家族の支えが必要だったのだが、長年母親との溝深いJ.D.は仕方なくも母親のいる故郷へと帰郷する。

オハイオ出身というだけで田舎者と揶揄されるアメリカ社会の現実

著書「ヒルビリー・エレジー アメリカの繁栄から取り残された白人たち」では、錆びついた工業地帯(ラストベルト)出身者というだけで辛い差別と侮辱されたことを告白していますが、映画内でJ.D.がとあるエリートのいる会食の席でオハイオ州出身というだけで「片田舎」と揶揄されたように、アメリカ社会では白人の貧困層に対して差別意識があるようで、映画でもJ.D.が会食の席でつい侮辱されたことについてキレてしまうと冗談交じりに周囲が笑っている姿をJ.D.が黙り込んでしまうシーンが印象的でした。

J.D.の家系が古き良き日本の家族を見ているような感じがして、1人を祖父母や叔父叔母や父母といった形で育てるといった3世帯一軒家の家系でお互いがお互いを支えあうというもの。ただ、貧困からは抜け出せず大学に進学せず一家を支える為に機械工や日雇い労働となっていく姿から「WASP(ホワイト・アングロサクソン・プロテスタント)」とアメリカでは白人労働者階級が問題となっている。映画のタイトルでもあるヒルビリー(田舎者)は貧しいアメリカ北東部に住むWASPの人たちを指しているとされる。

映画の脚色が「母親べヴ」にフォーカスされた理由

著書はWASPの人の辛い現実を語ってはいるが、映画では著者でもある「J.D.ヴァンズ」の母親ベヴと祖母のマモーウとの家族の絆が描かれている。また母親ベヴのヘロイン中毒や麻薬中毒者の話が主にフォーカスされているので著書とは少し話の脚色が変わっている。

J.D.の母親であるべヴはキレやすい性格でありながら不真面目な性格をしており一度キレると手がつけられない性格でもある。最近Netflixでもあった長澤まさみの「マザー」を彷彿とさせるような感じ。祖母のマモーウはそんな娘を見てみていられなくなり孫のJ.D.を引き取り育てることとなるが、J.D.は荒れる母親を見て育っているので素行の悪い子供になりかけていた(いわゆる非行少年)。ただ、それを見かねた祖母はJ.D.に対して厳しく躾けるようになると次第にJ.D.は真面目な青年へと成長していく。

生まれた環境によって寂しさに耐えられずに薬物に走ってしまった母親とそんな母親を見て真面目に生きるのを諦めかけた息子J.D.は祖母によって助けられて真っ当な道へ歩き出すのだが、母親をどのようにして面倒を見ていくのか?という問いに葛藤するJ.D.の姿は最後のシーンまでロン・ハワード監督が描きたかった「自分の運命は自分で変えられる」というメッセージ性が表れていた。

環境のせいにしないで自分の運命を切り開くメッセージ性が良かった

劇中に祖母マモーウが貧しいながらも孫のために電卓を買ってあげたシーンで孫のJ.D.は自分に厳しくする祖母の言葉からキレて電卓を投げ捨ててしまう。拾ってくるように命令する祖母がなぜ母親はあのような人間になってしまったのか?という話を説く。孫のJ.D.はそれから生きる意識を変えて付き合う友達を選ぶようになり真っ当な人間に育っていく。

やはり家庭環境だけで判断すべきではないとは思うが、やはり身近に悪い連中がいたらそこに染まりいつしか自分が非行に走っても気づいてくれない存在になっている人々もいるかもしれないが、それは非行を行いやすくする環境のせいにしないで、そこから抜け出す為に何が必要なのかを知る行動が足りなかったのではないかと思う。

やはり「類は友を呼ぶ」ではないが、自分の行動によって周囲が変わっていくというのはあながち間違いではないかと思う。J.D.ヴァンズはオハイオ州出身で弁護士になれたのは貧困白人労働者ではありえないアメリカンドリームを掴んだと評価されている。

ロン・ハワード監督、エイミー・アダムス&グレン・クローズ主演『ヒルビリー・エレジー -郷愁の哀歌-』予告編 – Netflix

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